2016.11.19
デザイン脳とプログラミング脳という言葉を聞きました。
どうも「感覚的な性質」と「論理的な性質」というとらえ方になっているようですが、長年システム開発に関わった中での経験として、ちょっと違う切り口を提示してみたいと思います。
デザイナー: 表現(2次元)。完成時の完成度に全身全霊を注ぐ。
プログラマー: 動作(3次元)。デザインをパターン展開し、あらゆる状況を網羅する。
システムエンジニア: 運用(4次元)。完成後、時間の経過とともに発生する環境の変化(顧客の要求や仕様の変更、技術の変遷など)も見越す。
つまり人の性質ではなく、立場と目的が違うという意味です。
そしてその上で、他の立場にも立って考えられると、次元を超えた素晴らしいものができあがるのですね。
実際、全パターン動作まで認識されたデザインはプログラムに落とし込みやすかったですし、仕様拡張まで考慮されたプログラムは運用しやすかったです。運用の見通しが適切であれば、当然コストや評価というレベルに昇華され、他のシステムにも影響を及ぼし、ついには歴史を作っていくという次元に移るのでしょう。
例えばもっとも良い例の一つとしては、BMWのキドニーグリルが挙げられると思います。
1933年~BMW全モデルに継承されながら、それぞれが個性的なデザインとして展開され、世界のカーデザインをリードし続けているというのは、奇跡に近いと思いませんか?
ものづくりを目指す先に、歴史に刻まれるような逸品を残せるとしたら、本当に素晴らしいことです。