2021.9.26
去年7月、コロナ騒ぎの裏である記事がひっそりとリリースされました。
”Room”というサービスは当時日本ではまだリリースされておらず、またオンラインビデオ会議が広まりZoomが台風の目となって世間の耳目を集めていたため、まだひ弱だったMeetを後押しするためGmail画面に出るのかな?程度の認識でした。
しかし、その裏で実は大変な転換が図られていたのです。
ご存じのとおり、Google のサービスを利用するには、Googleアカウントが必要です。
それはEメールアドレスのフォーマットで [ユーザー名]@[所属ドメイン名] という形となっています。
G Suite(今のGoogle Workspace)の運用は以下の流れで行われます。
・ドメイン組織の中にツリー型の「部門組織」を作る
・「ユーザー」を作成し、どの部門組織に所属するか設定する
・活動する「グループ」を作成し、ユーザーを入れる
ここで「部門組織」はツリー状であり、ユーザーは複数の組織には入れません。また必ずどこかの部門組織に所属します。しかし「グループ」は実際の活動によるため、複数のグループに入ることが可能です。
Google Groups は、昔よく使われたメーリングリストと同じ動きとなります。
・グループを作成するときに、グループメールアドレス [グループ]@[ドメイン名] を設定する
・グループにユーザーをメンバー招待、またはユーザーがグループに参加申請する
・メンバーがグループアドレスに投稿すると、メンバー全員のGmailに配信される
このグループアドレスをユーザアカウント的に使用することができるので、例えばファイル共有設定で共有先の指定にグループアドレスを指定すると、そのままグループのメンバー全員が共有相手として指定できたりします。
そういった形で
・アクセス権管理をしたり、
・ユーザーが集まってメールディスカッションしたり、
・投稿をスレッド形式でWEBフォーラムにできたり、
・また外部からの問い合わせ代表アドレスとして共同トレイ管理をしたり、
ユーザー活動のかたまりとして便利に使われていました。
しかし前述の記事と同じ頃 Groups の画面UIも見直しが図られながら、機能が削減されていくのを感じていました。
最初の記事にあるように、Rooms を統合すると言いながら日本ではRoomsとしてはサービスが行われなかったのですが、Hangout から変わってきた Google Chat の拡張として Chatroom は使えるようになっていました。これ、今思うと結構すごかったのです。
Chatroom ができることは大きく4つ。
・複数人で Chat メッセージ交換ができる。
・スレッド形式で Chat 画面で読める。検索もできる。
・Chatroom のメンバーにファイルの共有ができる。
・メンバーと共同でタスク管理ができる
これ実は、Google Groups のチーム的機能がすべて盛り込まれてるのですね。やろうと思えばドメイン外のアカウントもメンバーに入れるので、プロジェクトの遂行がすべてできてしまうのです!
アクセス制御の難しさは、誰に共有して誰に見せないか、を管理しきれないところにあります。
しかし、Chatroom 単位で管理するとどのファイルを共有しているかが一目瞭然で、プロジェクトが終わればChatroom ごと閉鎖することにより共有も閉じられます。
また共有を開始するときもダイアログが出て自動的にメンバーだけが共有相手に指定されるので、ファイルを開いて共有設定を行う必要もありません。
そして先日9月、Rooms(日本ではChatroom)が Spaces というサービスとなることがリリースされました!
Google Spaces はもうユーザ自身が開設できるミニグループウェアであり、前述の Google Groups を丸々更新したようなすばらしいフレームワークとなってくるのがよくわかりますね!
Google Spaces は機能が多く、また11月にもアップデートも入る予定なので、また別の機会で紹介できればと思いますが、Google Workspace 管理者はこの大きすぎる変革をぜひキャッチアップされることをおすすめします!