2019.6.14
滋賀県大津での右直事故により、散歩中の幼稚園児が複数なくなるという悲しい事故がありました。そしてそこから話が広がり、「松本走り」というキーワードが世間からクローズアップされました。
「松本走り」とは、本来右折車は直進車を優先すべきなのが、松本市においては直進車の前で強引に右折してくることから付けられた名前です。実際、神奈川県から移住してきて、僕自身それは非常に感じました。
しかし実はそれ以上に感じたのは、「松本の直進車はよく譲る」ということでした。右折待ちをしていると、直進車が少し間を開けて「先に曲がれ」と合図してくるのです。場合によってはほとんど止まるぐらいまでして「曲がれ」と。
なぜかというと、松本は右折レーンが少ないため、右折車の後ろには直進車が渋滞していることを、対向直進車からよくわかるからですね。自分が少し間を開けて右折車を通してあげれば、向こうの渋滞がみるみるはける。これは気持ちがいいのです!
結果的に右折車はしょっちゅう譲ってもらう。またそうした方が全体の流れが良くなることを誰もが理解しているので、当然の如く右折車は曲がってくる。これは地域における自然な最適化であり、これ自体が非難されるべきか、とても難しい気がします。
むしろ本当の原因は(それなりに各地をバイクで走ってきた経験で言うと)、青信号制御がうまくいってないんだと思います。直進車がダラダラダラダラ、いつまでも続く。そうすると1台の右折車で対向車線は全く流れなくなってしまう。
もっと直進が適度に途切れれば、右折車も適宜曲がれるので渋滞もはけるでしょう。
そもそも右折車に曲がられて「うわっ危ないなぁ」なんて驚いている方が、運転が未熟と言わざるを得ないでしょう。バイクに乗っている方はわかりますが、ライダーは常に右直事故を警戒し、右折待ちの車がいたら「あいつは曲がってくるかもしれない」と必ずいつ曲がられても大丈夫なようにします。
いちいち驚いているのは「曲がってこないだろう」という【だろう運転】をしている証であり、教習所で散々言われる「曲がってくるかもしれない」という【かもしれない運転】ができていないという証でもあります。
極端に言うとここは「松本走りをやめて」ではなく、松本市を「右折特区」まで視野に入れ、松本の交通流の効率化を図る手もあるかもしれません。
いずれにせよ【現実には、正解は一つではない】。
プログラミングを学ぶ子たちには、常に心に刻んでほしいものです。
ちなみに蛇足ながら、大津の事故については松本走りとはまったくパターンが違い、右折車はただ周囲を確認せず前車に続いて右折してしまったようです。また直進車が左にハンドルを切って逃げようとしたことも一つの要因であり、もうダメだとわかったらハンドルを切らず直進のままどーんとぶつかるべきでした。危険に対してはハンドルではなくブレーキ。教習所で教わる大事な基本です。
[プログラミング]
そういったさまざまな角度から交差点の危険を話した上で、交差点のシミュレーション。まずは信号機の青赤サイクルなど。最終的には車や人も走らせて、リアルな交差点に自然と近づくことを見ていきます。