2017.2.28
2月22日、長野県松本ろう学校でScratchを使ったプログラミングの授業を行いました。
画面が見えて手が動けば、そして何より「表現したいハートがあれば、プログラミングは魔法のツールになる」ことは今まで全ての子ども達がそうであったように、ろう学校に於いても何ら変わりません。
むしろなかなかプログラミング教育が伝わるのが後回しになりがちな特別支援学校においてこそ、また表現手段が制限されるであろうそういった子ども達にいち早く伝えたいと長らく考えておりましたが、このたびご縁をいただきついに実現しました。
先生方も当初「プログラミングって???」ということもあり、また逆にこちらも「どのように説明して伝えていけるか」という不安もあったのですが、長野パラリンピックでの様々な経験や、とにかく「耳が不自由なことを意識せずにやってほしい」とのお言葉もあり、思い切ってやってきました。
実際のところは聴覚障害にもさまざまな状況があり、かなり口話でコミュニケーションが取れること、また最初の挨拶だけは手話を練習しましたがあとは先生が手話で同時通訳してくださり、ほとんど問題なく通常のScratch体験会と同じように進めることができました。
そのうちだんだん飲み込めてきた子からどんどん自分のアイディアでアレンジが始まり、後半はみんな僕の方を見てくれなくなってきます。(通常なら声を張り上げて注意点などを伝えるのですが、さすがに今回は注目してもらうのに先生方のお力をお借りしました)
しかし準備時に迷った「BGMを取り入れる」あたりも全く問題なく、最後はみんなキャーキャー騒いで大盛り上がり!付き添いの先生方もほとんど見ているだけで、彼らは本当にプログラミングを楽しんでくれていました。
また授業の後には給食も一緒にごちそうになり、食事中もずっとにぎやかにおしゃべり。1人の子がプロレスが好きで、みんなでアントニオ猪木の「1・2・3・ダーッ」で盛り上がりました(笑)
せっかくなのでこの日の課題のシューティングゲームだけではなく、画像センサーをつかったバルーンゲームなどを見せて小学部や中学部の子たちにも食堂で遊んでもらい、もっともっとたくさんの可能性があることを見てもらえたと思います。
本当に彼らの弾けるような笑顔や、自分で考えたアイディアを自慢げに教えてくれる様子に感動しました。クラスアカウントを発行しているので、早くお家のパソコンなどでご家族の方々にも見せて上げられたらいいなと思います。
彼らの作品については下記からごらんいただけます。
他の学校でも早く広がることを切に願っています。
https://scratch.mit.edu/studios/3806498/
最後になりましたが、青木教頭先生はじめ実現にご協力いただいた関係各位に深く感謝申し上げます。
10月に行われる学園祭「はと祭」では、校長先生がギターでライブもされる、とてもステキな学校です。みなさんもぜひ足をお運びいただければ幸いです。